2017年1月22日日曜日

日本における海外不動産投資ブームの歴史その3 フィリピン不動産投資ブーム






■マレーシアに入れ替わり投資先としてブームに

日本における海外不動産投資先としては、2010年ごろからマレーシアが人気だったのですが、2014年に外国人に対する投資規制が実施されたことで、ブームは終焉いたしました。

1,000万円前後で良い物件が購入でき、キャピタルゲインが狙える市場ということで、ちょうどマレーシアに入れ替わる形でフィリピンへの投資ブームが訪れました。

フィリピンの不動産投資は、その分かりやすさが魅力でもありました。


■フィリピン不動産投資がブームになった原因

フィリピンはちょうど人口ボーナス期の入り口を迎えており、かつての日本の高度経済成長を予感させるような時期にさしかかっています。
 
フィリピンの人口ピラミッド。世界でも稀に見るきれいな三角形で、若年層が圧倒的に多い

1950年の日本の人口ピラミッド。日本ではこの後、高度経済成長が始まった

人口ピラミッドを見ても分かるように、人口の構成がかつての高度経済成長期の日本と酷似しております。

あの頃の日本にタイムスリップして不動産を変えていたら‥、と考えたことがある方もいるかもしれませんが、そんな夢のある状況が今のフィリピンなのです。


■ブームのその後

フィリピン不動産は、マレーシア不動産のように規制が入ったわけではなく、現在でも投資先として人気です。

フィリピンで不動産投資先として注目されたエリアは、首都のマニラに加え、リゾート地として有名なセブ島も同じくらい人気がありました。

現在は、一時ほどの人気はなくなってきています。その原因が、供給過多と言われています。

特に首都のマニラでは、投資家向けに1,000万円前後の1ベッドタイプのコンドミニアムが同時期に大量供給されたため、賃貸が思っていたようにつかない状態になっている物件もあります。

現地の一般的なフィリピン人の収入では、まだ投資家が持っている不動産を購入できるような状態にないのです。

順調に経済は成長しているので、長いスパンで見れば価格上昇の期待は大きいのですが、短期的には同グレードの物件が供給されすぎているため、高い利回りやキャピタルゲインを手に入れている投資家があまりいないのが現状です。

これにより、日本の投資家は、国の経済成長力だけでなく、不動産の供給量やターゲットを考えることが必要だということを学びます。

つまり、特定のターゲットに対して供給が足りていない状況にある不動産に投資しよう、という考えになるのです。

次回はその具体例をご説明いたします。


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